宮崎県は、温暖な気候と適度の降雨、そして肥大な大地に恵まれ、茶園面積は全国7位、荒茶生産量は全国4位とお茶の栽培に適した環境にあります。 その中でも都城は県内最大の茶栽培面積を誇り、また250年以上の歴史を持つ由緒ある産地でもあります。
周囲を山々に囲まれた盆地で、昼夜の気温差が大きく、霧がよく発生する都城。この特徴的な環境が茶作りにとても良いといわれ、霧が日照を和らげることで、やわらかな葉肉の厚い茶葉が育ち、鮮やかな色と香り、コクを持つ“都城茶”となります。天然の浄化作用とミネラル分が土壌を活性化させることで、茶樹が強い生命力を持っているのも特徴です。
この地でのお茶栽培は、その昔、茶処として有名な霧深い「宇治」と地形や風土が酷似していることに気付いた島津家の藩医が、自ら宇治で栽培法と製法を学び、広めたのが始まりだといわれています。
江戸時代の文献『三国名勝図会』には県南部・都城の茶の記述が残っています。
『霧島山の大麓にして、渓谷多く、雲霧常に深く、古来都城は霧海ともいう。故に茶の品上好なり。』
江戸の頃から、茶の栽培に適した都城茶はその名声を広めていたようです。
近年でも、都城茶の製法は引き継がれ、全国茶品評会での前茶日本一、農林大臣賞、手揉み茶日本一、優秀産地賞など、数々の栄誉に輝いています。 |
|